住宅ローン おすすめ記事 フラット35の魅力と注意点を再確認する

フラット35の魅力と注意点を再確認する

フラット35の魅力と注意点を再確認する・住宅ローン情報ナビ  2007年4月に誕生した住宅金融支援機構(以下「住宅機構」)が、この4月で丸1年を迎える。「民間にできることは民間に」とのスローガンの下、2001年の特殊法人等整理合理化計画に基づき廃止された住宅金融公庫を引き継ぎ、住宅機構はこの世に生を受けた。この1年を振り返ると、テレビCMの活用や数々の融資条件変更など、フラット35の利用者増を狙った動きが目立った。おそらく、かつてのような大名商売では立ち行かなくなったことが背景にあるのだろう。「住宅ローン」=「フラット35」の時代が1つの節目を迎えたようにさえ映る。まさに、住宅ローン市場が競争激化している現状を彷彿(ほうふつ)とさせる。こうした中、これから住宅ローンを組もうとする人はフラット35とどのように向き合えばいいのか? 今回は、フラット35の魅力と注意点を再確認することにする。

■高まる住宅ローン利用者の「金利感応度」
 3月7日、住宅機構が「住宅ローン利用に関するアンケート調査」(2007年度第3回)の結果を公表した。調査期間は08年2月8日~12日、07年11月~08年2月の間に住宅ローンを借りた人1004名を対象に、インターネットを利用して調査は行なわれた。まずは、ここから住宅ローンの利用者意識を探ってみよう。

 同調査による金利タイプ別の利用者割合を、第1回調査(2007年5月)と対比してまとめたのが【表1】だ。いわゆる「2年固定」「3年固定」の利用者が大きく減少しており、今回の調査からは短期系の特約金利タイプが “利用者離れ”を起こしているのが見て取れる。06年7月にゼロ金利政策が解除された後、翌月(06年8月)と07年3月に短期プライムレートがそれぞれ0.25%ずつ引き上げられた。その結果、短期金利も上昇し、2年および3年固定特約の適用金利を押し上げたことが、その原因だ。「低い金利」「低い金利」へと、多くの人が金利の低い住宅ローンを求めている姿が目に浮かぶ(【表3】参照)。

【表1】金利タイプ別 住宅ローン利用者の割合
  全期間固定型 固定期間選択型(主なもの) 変動型
2年 3年 5年 10年
第3回調査 29.6% 2.5% 8.5% 9.1% 23.3% 21.4%
第1回調査 29.4% 8.0% 19.3% 7.5% 16.1% 14.6%
   他方、変動型(変動金利)の利用者がその割合を伸ばしている点も注目に値する。通常、金利アレルギーの人は金利上昇リスクを嫌気し、固定期間の長い金利タイプを選ぶ傾向が強い。しかし、固定特約期間が長くなればなるほど、今度は適用金利が上昇。当初の支払い金額を増大させるマイナス面を持ち合わせる。「金利が変わらない安心感」と「返済負担の軽減」……どちらを選ぶか、判断は容易でないのだ。

 ところが、今回は状況が違った。というのも、第3回の調査対象者が住宅ローンを借りた07年11月~08年2月の間は、毎月のようにローン金利が下がっていた時期。それほど金利上昇を心配しなくていいタイミングだったのだ。もともと、変動金利は適用金利が相対的に低いため、毎月の返済負担を軽減させやすい。その上、幸運にも金利の先高観が薄れ、金利上昇リスクが後退したことが、変動金利を志向する割合の増加につながった。このことは、住宅ローン利用者の“金利感応度”が高まっていることを裏付ける。

■ご自身の「リスク許容度」に応じてローン商品を選別しよう
 さて、ここから本題に入るが、「金利感応度」とは金利変動に敏感に反応する度合いのことをいう。少しでも市場金利に連動するよう、柔軟なスタンスで金利タイプを選ぶ姿勢のことだ。「金利感応度が高い」とは、いたずらに金利上昇ばかりを嫌気せず、時と場合によっては前向きにリスクを取ることを意味する。金利変動のある金利タイプを積極的に利用する(=リスクを取る)行動パターンと言い換えてもいいだろう。

 以上を踏まえ、これから住宅ローンを組もうとする人はフラット35とどのように向き合えばいいのか?……フラット35の長所・短所をまとめると【表2】のようになる。要約すれば、金利上昇局面には強いが、金利下降局面には弱いのが特徴だ。毎月の返済額が変わらず返済計画を立てやすい半面、市場金利が下がってしまうと適用金利が高止まりし、余分な利息を払わされるデメリットがある。

【表2】フラット35の金利特性
メリット(魅力) デメリット(注意点)

借り入れ時に適用金利が確定し、返済終了まで変わらない。そのため、金利上昇リスクを回避でき、長期にわたって返済計画が立てられる。

借り入れ時の適用金利が相対的に高くなりやすい。また、高金利時に借りてしまうと、金利下降局面では利息負担が増大する。


 そこで、まずはご自身の「金利感応度」を知ることが最初の一歩となる。どれだけ金利変動リスクを許容できるかを把握するのだ。そして、金利感応度が低い人はフラット35を優先的に検討するといいだろう。金利の上げ下げに振り回される心配から解放されるため、長期的な返済計画が立てられるからだ。利息過払い懸念よりも安定した返済を希望する人には、もってこいの住宅ローンといえる。ご自身の「金利感応度」=「リスク許容度」に応じてローン商品を選別することが成功への近道なのだ。

【表3】<参考> 住宅ローンを選んだ決め手は何でしたか?(TOP5)
順位 第1回調査(2007年5月) 第3回調査(2008年2月)
1

金利水準が低かったから

51.2%

金利が低かったから

73.7%
2

金利優遇があるなど、当初金利が低かったから

45.5%

諸費用等が安かったから

25.5%
3

住宅販売事業者の勧めがあったから

24.2%

住宅販売事業者の勧めがあったから

22.6%
4

繰り上げ返済しやすそうだったから

14.2%

取得費のほぼ全額を1つのローンでまかなえたから

17.3%
5

1本のローンで必要資金をまかなえたから

13.4%

住宅販売事業者との契約で、住宅ローンに関する特約があったから

15.4%
※ 調査結果は、回答を3つまで選択できる重複回答となっている

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