住宅ローン おすすめ記事 より厳しさを増す住宅ローン審査 その実態はいかに?

より厳しさを増す住宅ローン審査 その実態はいかに?

より厳しさを増す住宅ローン審査 その実態はいかに?・住宅ローン情報ナビ

 08年9月のリーマンショックから1年半。100年に一度と言われた未曾有の金融危機は最悪期を脱し、わが国経済は各種経済指標の上では「持ち直しつつある」との判断が示されている。しかし、所得・雇用環境の改善は思うように進まず、自律回復力はいまだ弱い。そのせいか、2009年の新築マンション市場は大幅な供給調整を余儀なくされ、改正建築基準法(建築確認の厳格化)の影響を受けた2008年よりさらに新規供給数が落ち込む結果(惨状)となった。首都圏で新築マンションの年間供給戸数が4万戸割れするのは17年ぶりのことで、今年2010年に本格回復するとの見通しは「ほぼなくなった」というのが筆者の予想だ。住宅ローン減税の延長・拡充や住宅エコポイント制度の創設など、追加経済対策による一定の下支え効果は期待できるだろう。しかし、新たな“懸念材料”の台頭が市場の拡大を阻止する。その懸念材料とは「住宅ローン審査の厳格化」だ。


 09年12月4日に中小企業金融円滑化法が施行され、住宅ローンの利用者は取引金融機関に対して条件変更を交渉しやすくなった。報道によると、三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、りそなの4行には合計で3798件(09年12月末時点)の変更申し込みがあったという。しかし半面、金融機関には同法の施行により貸付条件の変更などの措置を適正かつ円滑に行えるよう、必要な整備の体制が義務付けられた。さらに、金融当局に対して報告する義務まで負わされ、事実上、監視されているに等しい状況下に追いやられた。そのため、さらなる不良債権(ローン滞納者)を出さないよう各行が融資審査を厳しくし始めている。これから住宅ローンを組もうという人にとっては凶報そのものだ。そこで、金融機関はどのようにローン審査をしているのか、今回はその内情を紹介する。


■住宅ローンの審査では、一律4%の借入金利で資金計画を立てて審査している


 住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、54.2%(2010年2月現在)の人が変動金利を選んでいることが分かった。理由はいたって簡単。固定金利タイプに比べて適用金利が低いため、その分、毎月の返済額を安く抑えることができるからだ。当然、その人は変動金利による返済計画をもとに金融機関は融資審査すると思っているに違いない。しかし、ここに落とし穴があった。住宅ローンの審査では、一律4%の固定金利で資金計画を立てて審査している。一体どういうことなのか説明しよう。


 たとえば、ある人が借入金利1.5%でローンを組もうとしているとしよう。当然、その人は1.5%の金利で資金計画を立て、その毎月返済額の多寡によって返済可能かどうかを自己判断する。ところが、貸し手側による融資審査では借り手側の借入れ希望金利が何%であろうと、一律4%の固定金利で返済プランを立てる。そして、その4%での返済額に応じて融資承認の可否を判定する。つまり、変動金利の場合には返済途中で金利上昇しても、十分に返せる能力があるかどうかを審査しているわけだ。年収ギリギリの資金計画の人は審査金利が4%となることで、「収入オーバー」と判定されてローン否認となる。以下、具体例で説明しよう。


 3000万円を35年返済で借りた場合、借入金利1.5%では年間返済額は110万2260円。これが同4.0%となると年間返済額は159万3984円となり、約49万円の増額となる。その人の年収がたとえば500万円とすると、1.5%では返済負担率が約22%なのに対し、4.0%では約31%へと跳ね上がる。これはかなり厳しい数字だ。その結果、融資を否認されるか、あるいは借入希望額の減額を余儀なくされる。このように、実際の借入れ希望金利と審査のための適用金利は異なっており、この金利差がよりローン審査を厳しいものにする。それだけに、低金利での融資を考えている人は特に、資金計画を立てる際、金利4%で試算するよう心がけてほしい。決して年収ギリギリの返済プランを立ててはならない ―― ということだ。


■マイカーローンやクレジットカード すべて住宅ローン審査の対象となる


 次に、クレジットカードにも思わぬ落とし穴が潜んでいる。実は、クレジットカードを持っているだけで信用枠に加算されてしまうのだ。たとえば、手持ちのカードに50万円のキャッシング枠が備わっているとしよう。すると、実際は1円も借りてないにもかかわらず、住宅ローン審査の段階では「50万円をすでに借りている」とみなして審査される。つまり、その分、住宅ローンの借入額が減額されてしまう仕組みだ。


 たとえば返済能力から計算して、その人の住宅ローン借入限度額が3000万円あるとしよう。すると、クレジットカードを保有しているだけで、住宅ローンとしては2950万円(3000万円-50万円)までしか借りられなくなる。カードの所持数が2枚3枚と増えれば、さらにその分、借入限度額は減らされる。マイカーローンやショッピングローンも同様だ。仮に審査時点でマイカーローン(残高)が80万円あれば、80万円分、住宅ローンとしての借入額は減らされる。個人信用情報(個人信用情報機関に登録された、その人のクレジットやローンの取引履歴のこと)を調べれば、すべての借入れが分かるようになっているのだ。まさに情報化社会の恐ろしさだ。


 対策として、クレジットカードは解約してしまえばすべて問題は解決する。また、車やショッピングローンも完済すれば住宅ローンの借入額には影響しない。住宅ローンの審査を通過するには“身の回り”をきれいにしておくことが必要というわけだ。こうした住宅ローン審査の内情を知らなければ、必要な対策を打つことはできない。本コラムを参考に、融資審査の「傾向」と「対策」を身に付けておいてほしい。


【参考】登録される個人信用情報の内容(主なもの)

ホワイト情報
(本人を識別するための情報、契約情報)
ブラック情報
(事故情報)
氏名 生年月日 性別 住所 電話番号 勤務先 契約内容(借入金額 借入日 最終返済日) 延滞(3カ月以上が目安) 代位弁済 手形不渡り 債務整理 強制解約 強制退会


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