住宅ローン おすすめ記事 住宅ローン借り換えの3つの成功ポイント

住宅ローン借り換えの3つの成功ポイント

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 5月14日、またしても不動産業者の"訃報"が飛び込んできた。デザイン性の高いマンション販売を得意とするジャスダック上場のプロパストが東京地裁に民事再生法の適用を申請(負債総額は約554億円)したのだ。2009年後半から安定を取り戻したかに見えた不動産業界だが、まだまだその爪あとは払拭されていないようだ。100年に一度と言われた金融危機でダメージを被った企業の"後始末"は、今もって完結していないことを今回の訃報は物語る。こうしたこともあり、わが国の住宅市場は完全にその規模を縮小させている。2009年の新設住宅着工戸数が45年ぶりに80万戸を下回ったことが何よりの証拠だ。


 実は、マイホームが売れなくなったことで困っているのは金融機関も同じだ。当たり前だが、住宅の新規供給が減少したことで住宅ローンの新規貸し出しも減ることとなった。そのため、各金融機関にとって貴重な収益源である個人向け住宅ローンが伸び悩み、企業収益にもダメージを与えかねなくなっている。そこで、この減少分をカバーすべく、今般、各金融機関は借り換えローンに力を入れている。たとえば、みずほ銀行は金利の優遇幅に差をつけることで、他行から借り換え客を取り込もうと躍起だ(下表参照)。


 こうした傾向は何も「貸し手側」だけの現象ではなく、今では「借り手側」にも兆候が見られる。高金利時に借りた長期固定型住宅ローンを、より低い金利に借り換えようという人が散見される。ただ、相談者の話を聞いていると「なぜ、借り換えたいのか?」が不明確なことも少なくなく、「借り換えはお得!」といった断片的な情報に踊らされている感は否めない。借り換えを成功させるには、自身が望む改善点がはっきりしていなければ十分な効果は期待できない。そこで、本コラムでは借り換え時に押さえておきたいポイントを整理することにする。


■ポイント1:何のために借り換えるのか、その目的(目標)を明確にする


 筆者は3つのポイントがあると考えている。まず、第1のポイントが借り換える目的の明確化だ。ほとんどの人が"無意識"のうちに「毎月返済額を減らそう」として借り換えを実行している。ちょうど今月17日、大手銀行(三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行)から「中小企業金融円滑化法」にもとづく返済条件の緩和実績が発表された。今年3月末時点の申し込み件数は4行合計で約7万3000件(個人向け住宅ローンと中小企業向け融資の合計)に達したそうだ。1月末が約3万7000件(同)、2月末が約5万5000件(同)だったことから、コンスタントに増えているのが分かる。長引く不況によって収入は伸び悩み、誰もが生活防衛を余儀なくされているだけに、たとえ困窮していなくても住宅ローンの負担を少しでも軽くしたいと考えるのは至って当然のことだ。借り換えはその有効な手段といえるだろう。


 ただ、漫然と借り換えるのは得策ではなく、目標を立てることが欠かせない。たとえば「総返済額を減らしたい」とか、「当初、変動金利で借りていたため金利上昇リスクに備えたい」とか、きちんと目的を明確にしないと借り換え効果は半減する。何のために借り換えるのか?―― 自身の足元を見つめることが成功への第一歩となる。


■ポイント2:目的に合った借り換えローン(金利タイプ)を選択する


 こうして借り換えの目的がはっきりしたところで、続いてはその目的を実現すべく、具体的なローン商品の選択へと進むことになる。たとえば「金利上昇リスクに備えたい」と考えているのに、3年固定や5年固定特約タイプを選んでも意味がない。必然的に長期あるいは完全固定型の金利タイプを選ぶことになる。この場合、一般的に固定期間が長くなるほど適用金利は高くなるため、場合によっては借り換えたことによって「毎月返済額が増える」ことがある。


 たとえば、当初1.5%の変動金利で借りていたのを3.5%の20年固定タイプに借り換えれば、毎月返済額が増えるのは説明するまでもない。「金利上昇リスクに備える」という目的のためには「毎月返済額を減らす」ことを犠牲にする必要があるのだ。なぜ、目的を明確化することが大事だか、ここからもご理解いただけることだろう。借り換え効果は「毎月返済額を減らす」だけではないのだ。逆に目的さえはっきりしていれば、金利タイプの選択に失敗することはほとんどなくなる。どの金利タイプを選択すれば目的の最大化が図れるのか ――。こうした視点で借り換え計画を立てることが重要だ。


■ポイント3:「費用」対「効果」の検証を忘れずに!


 そして最後、「費用」対「効果」の検証を忘れてはならない。最も分かりやすいのが借り換えのために発生する諸費用の負担だろう。特に「総返済額を減らしたい」と思っている場合、十分検証する必要がある。頻繁に「繰り上げ返済」する方が総返済額を減らす効果が高いこともあり得るからだ。もちろん繰り上げ返済できるのは、預貯金などの原資があっての話になるが、借り換えは決して万能なローンメンテナンス方法ではない。費用(短所)と効果(長所)のバランスを見つつ、借り換えの有効性を検証することが必要となる。


 借りたら借りっ放しにせず、常に住宅ローンと向き合っていることはとても大事なことだ。この気持ちをいつまでも忘れず、実りある繰り上げ返済を実現してほしいと願う。


みずほ銀行 2010年5月の住宅ローン金利

(単位:%)

  固定特約タイプ
2年 3年 5年 7年 10年 15年 20年 優遇幅
店頭表示金利 3.10 3.30 3.60 3.80 4.15 4.75 5.15 ---
新規借入金利 1.90 2.10 2.40 2.60 2.95 3.55 3.95 △1.2
借り換え金利 1.70 1.90 2.20 2.40 2.75 3.35 3.75 △1.4%


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