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安易に引き受けるな!「連帯保証人」は危険がいっぱい
5月26日、国民生活センターのホームページに次のような内容の注意記事が掲載されていた。「借金をするとき、家を借りるとき、就職するとき……保証人紹介ビジネスのトラブルにご注意!」―― 保証人紹介ビジネスとは、自分で保証人を探すことができない消費者へ保証人を紹介し、その手数料を得ることを目的とした事業のことをいう。同センターには以下のような相談が寄せられており、消費者に注意を呼びかけている。
「10万円を支払って紹介業者から保証人を紹介してもらったが、その保証人を立てて借り入れを申し込んだにもかかわらず融資を断られた」(50歳代 男性)
「保証人になると手数料がもらえるという話だったので、紹介業者に保証人として登録した。その後、アパート賃貸借契約の保証人になったのだが、借り主が家賃滞納のまま行方不明になってしまい、代わりに家賃の支払いを請求されるハメになった」(30歳代 女性)
どちらも保証人とはどういう役割を担った人物なのか、その法的性質を十分に理解しないまま紹介業者を信用して取り引きした結果の惨事といえる。住宅ローンを組む際も、特に収入合算の場合は民間金融機関(貸し主)から収入合算者を連帯保証人とすることが求められる。たとえ紹介業者を介さない夫婦間での連帯保証であっても、連帯保証人の負う責任に何ら変わりはない。ご主人(主たる債務者)が支払いを滞ると、すべての返済義務が今度は奥さん(連帯保証人)に降りかかってくる。勤務先が倒産しようとリストラに遭おうと、また、病気や交通事故あるいは離婚してしまった ――。いかなる理由であれ、金融機関は容赦なく連帯保証人に返済を求めてくる。それだけに借金をする場合、保証人の負う責任について正しい知識を持つことが欠かせない。そこで転ばぬ先の杖となるよう、今回は連帯保証人について詳述することにする。
■保証人とは人的担保のこと。本人の滞納はすべて保証人が肩代わりしなければならない。
まずは用語の説明から始めることにしよう。保証人とは、住宅ローンの借り主(債務者)が返済を履行しない場合、債務者に代わって履行の義務を負う人のことをいう。たとえば質屋でお金を借りようとした際、貴金属なり宝飾品なり何らかの品物を質屋に預ける(担保提供)ことで、質屋はその担保をもとにお金を貸してくれる。こうした貴金属なり宝飾品といった質物のことを「物的担保」というのだが、同じ担保でも保証人(人物)による担保のことを「人的担保」という。つまり、「保証人」=「担保」というわけで、借金の肩代わりを約束させられた人物が保証人ということになる。
住宅ローンを組む場合、収入合算して借り入れする際には収入合算者は間違いなく連帯保証人になることを求められる。連帯保証とは、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担することだ。勘違いしないでほしいのは、保証会社による保証とは別物であるという点。保証会社と金融機関が保証契約を締結していても、住宅ローンの借り手(債務者)が返済に窮した場合、保証会社は当該住宅ローンを立て替えて金融機関に返済した後、今度は連帯保証人にすべての返済を求めてくる。たとえ保証会社が介在していても、連帯保証人が負う責任範囲に何ら影響を及ぼすことはない。
そればかりか、一度、連帯保証人を引き受けると辞めることは許されない。さらに、連帯保証人が1人ではなく複数人いた場合、金融機関には連帯保証人1人ひとりに対して住宅ローンの残債全額を請求することが認められている(分別の利益がない)。たとえば、ご主人(主債務者)とその奥さん(連帯保証人)、奥さんのお父さん(連帯保証人)の3人で収入合算したとしよう。ご主人がローンを返せなくなった場合、仮に残債が2,000万円あったとすると、奥さんにもお父さんにも2,000万円全額を肩代わりする責任がある。頭割りして1,000万円ずつとはいかないのだ。いかに金融機関に都合よくできているか ――。こうして説明されて始めて知ったという消費者も少なくないだろう。
その上、両抗弁権(下表参照)も認められないことから、連帯保証人にはかなり重い責任が課されることになる。安易に引き受けることがいかに危険か、お分かりいただけたに違いない。連帯保証人になるには、それなりの“覚悟”が必要というわけだ。連帯保証人を立てないでも住宅ローンが組めるよう、余裕のある資金計画を立てることが最大の自己防衛につながることは疑う余地もない。
(参 考)連帯保証には認められない3種類の性質・権利
| 分別の利益 | 連帯保証人が複数人いる場合、各連帯保証人は連帯保証人の人数で割った分だけを肩代わり(平等負担)すればいいという制度。保証人の責任を軽減し、保証人相互間の関係を簡略にすることができる。 |
|---|---|
| 催告の抗弁権 | 債権者が保証人に対して履行の請求(催告)をしてきた際、保証人は、まずは主たる債務者に請求するよう主張できる権利。金銭契約の当事者ではない保証人に、いきなり返済を求めるのは順番が違うという考え方が根底にある。 |
| 検索の抗弁権 | 債権者が保証人に対して催告の後、強制執行しようとした場合、保証人は主たる債務者が有する財産から執行するよう主張できる権利。逆にいえば、主たる債務者に対して強制執行するまで、保証人自身の執行を拒むことができる権利。 |
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