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今、改めてマイホームを持つことの意味を考える

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 「賃貸」と「分譲」では、一体どちらが得か?―― 自分の住まい方を考える際、誰もが直面する永遠のテーマだ。住宅雑誌などでも同様のテーマを扱った記事をしばしば目にするが、その内容は「若いうちに買った方がローン返済も早く終わり、定年後も安心」「家賃は保険でいう“掛け捨て”と同じで損なので、資産として残るマイホームに住宅ローンとして支払った方が得」と、供給サイドに肩入れした論調が目に付く。こうした雑誌は広告主である分譲業者から広告料をもらっている以上、賃貸のメリットや分譲のデメリットを紙面に掲載できないのは致し方ない。むしろ期待する方が無理な話だ。賢い読者はこうした裏事情を十分に理解し、冷静かつ客観的な視点で紙面と向き合う必要があるだろう。


 しかし一方、読者(=住宅購入検討者)は読者で住宅購入の動機や目的が曖昧のまま、検討も不十分な状態で契約書にサインしてしまう人がいる。「勢い」といったら語弊(ごへい)があるかもしれないが、「買い時」という言葉に踊らされて衝動にも近い形で購入に踏み切る人を見かける。これは、お世辞にもほめられた行動とは言えない。そこで、頭を整理してもらう意味も込め、【表1】にマンションを購入した理由TOP10をまとめてみた。


【表1】どうしてマンションが欲しいの? ~マンション検討理由TOP10~

  メジャー7「マンショントレンド調査」(2008年) リクルート「首都圏新築マンション契約者動向調査」(2009年)
第1位 もっと広い家に住みたい 子供や家族のため
第2位 賃貸より持ち家の方が得だと思った 金利が低く、買い時だと思った
第3位 金利が低く、買い時だと思った 住宅価格が安くなり、買い時だと思った
第4位 住宅価格が安くなり、買い時だと思った 現在の住居費が高くてもったいない
第5位 持ち家の方が住まいの質が高い もっと広い家に住みたかった
第6位 現在は金利が低く、買い時だと思った 税制が有利で買い時だと思った
第7位 家族のために家を持ちたい 結婚を機に家を持ちたいと思った
第8位 持ち家の方が気兼ねなく自由に使える 資産を持ちたい、資産として有利だと思った
第9位 資産を持ちたい、資産として有利だと思った 老後の安心のため
第10位 資産として有利だと思った 持ち家の方が住宅の質がいい

(出所)メジャー7およびリクルート


 重要なことは賃貸と分譲の特性を十分に理解し、その長所と短所をしっかりと把握した上で、最終判断できているかどうかということだ。たとえば冒頭、「家賃は保険でいう“掛け捨て”と同じで損」との意見を紹介したが、では分譲は貯蓄性が高いのかといえば、必ずしもそうとは言い切れない。【表2】を見てほしい。3000万円を35年元利均等返済で借りた場合、利息をどれくらい負担しなければならないかを一覧にした表だ。借入金利2.0%では約1174万円、同3.0%では約1850万円、同じく4.0%に至っては元本3000万円に近似する利息(約2580万円)を支払わなければならない。これで本当に「家賃はもったいない」けれど、「分譲はもったいなくない」と言えるのか。――「家賃並みの返済」などといったキャッチコピーを鵜呑みにし、総返済額という視点を欠いてしまうと、こうした事実(多額の利息負担)にまで目が届かなくなってしまう。


 決して、マイホーム購入を否定しているわけではない。買うからには失敗や後悔がないようにしてほしいとの良心から申し上げているのだ。ただ、以前にこのような相談を受けたことがある。「収入合算して夫婦共有名義でマイホームを手に入れたのだが、離婚することになり共有名義がかえって財産分与を難しくしている。一体どうしたらいいのか」。


 賃貸生活をしていれば、起こりえなかったトラブルだ。もちろん、単独名義であれば、これほど複雑にはならなかったのだろうが、マイホームは持ったら持ったで予期せぬトラブルを引き起こすことを示唆する好例といえる。


 賃貸か分譲かは、その人の生活環境や住宅観によって決まってくる。永遠のテーマであるように、万人に共通する正解は存在しない。このことは言い換えれば、本人さえ満足していれば正解(=成功)というわけだ。それだけに、どうしてマイホームが欲しいのか、徹底的な議論を怠らないようにしなければならない。


【表2】3000万円を35年元利均等返済で借りた場合の負担利息額

借入金利 毎月返済額(円) 総返済額(円) 負担すべき利息額(円)
2.0%
99,378 41,738,968 11,738,968
2.5%
107,248 45,044,199 15,044,199
3.0%
115,455 48,490,768 18,490,768
3.5%
123,987 52,074,257 22,074,257
4.0%
132,832 55,789,377 25,789,377

※ボーナス返済はなし



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